赤十字の国内での活動


赤十字という名前は聞いたことがあるものの、実際にはどのような活動を行っているのか知らないという人も多いのではないでしょうか。赤十字の正式名称は日本赤十字社で、世界的な医療組織「赤十字」の日本における活動団体です。赤十字は「人の命を尊重し、苦しんでいる人は国境や敵味方の区別なく救援する」ことを使命としています。日本赤十字社もこのモットーに従い、苦しんでいる人を救うために活動しているのが特徴です。病院をはじめ医療に関するさまざまな事業を展開していますが、一般的な病院とはやや異なります。それは、紛争地や災害地に出かけて、救護や復興支援などを行っている点でしょう。
紛争地や災害地の支援では、海外まで出かけることも珍しくありません。一方、国内ではどのような活動を行っているのでしょうか。まず、医療を提供する法人として病院を運営しています。日本各地に、日本赤十字病院が点在しているのです。公的医療機関として救急医療から生活習慣病の予防、高齢者介護まで、多岐にわたる医療・福祉サービスを提供し、地域の中核病院として活動しています。また、赤十字の大きな特徴である災害地での救護活動は、国内でも積極的に行われているものです。赤十字病院を拠点に、医師と看護師が中心となった救護チームを全国に約500編成し、災害時に速やかに対応できる体制を整えています。看護師の育成にも力を入れており、日本各地に看護系の大学・短大・専門学校などを運営して赤十字社の精神を受け継ぐ看護師を育成しています。