赤十字の組織は世界各国で起きている戦争や紛争の犠牲者を救済したり、災害被災者を医療面でサポートするなど、医療や保健福祉などの事業を展開しています。もともとの起源は1859年のイタリア統一戦争で激戦地となった場所で、中立的な立場で負傷者の救護にあたったアンリー・デュナンに由来するとされ、その後1863年にスイスで立ち上げられた五人委員会が前身となっています。赤十字で働く看護師には医療機関や福祉施設などにおける看護や、看護教育の施設で教育事業に従事することに加えて、国内災害救護および国際救援といった活動にも参加を行っているのが特徴的です。
また、救急法や健康生活の支援講習などを通じて講習を普及させていく事業に携わっており、血液センターでの採血業務も行っています。こうした活動を通して、この組織が掲げる「人道」に取り組む責務があると心得ているからです。海外においては地震の被害やハリケーンなどの自然災害が起きた際に、救護活動を展開したり開発途上国で保健衛生の状態を改善するなど、積極的な活動が行われています。特に突発的に起こると考えられるこうした活動にも速やかに対応できる体制作りが整えられ、諸活動を担う人材を育成するために国際医療救援拠点病院も設けられています。海外で救援活動が必要とされた時には全国に点在する赤十字病院のネットワークを活かし、医療施設で復興支援などに従事する体制を整備しているのです。
赤十字が担っている役割とは
2016-02-06